フィットネス護身術のススメ

身を守るために知っておくべき フィットネス業界の危険な実態

フィットネスクラブで教わる「なんちゃって筋膜リリース」から身を守ろう!

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当ブログにお越しいただきまして、誠にありがとうございます。

 


ワタシは、このブログの管理人のフィットネス夫と申します。

危険なフィットネスの魔の手から皆さんを守るため、「フィットネス護身術」を広める活動をしています。

 


それでは、本日の記事をお楽しみください。

 

  

目 次

 

 

本日のテーマ

 

今回は「筋膜リリース」についてご紹介していきます。

 

前回、「マッサージ行為」 に関して以下のことをご紹介してきました。

 

・マッサージ手技の種類

・マッサージ手技を行ってよいのはマッサージ師の国家資格を持っている者のみ(トレーナーなどの無資格者のマッサージ行為は違法)

・「〇〇式マッサージ」「揉みほぐし」「スポーツマッサージ」などと誤魔化して違法行為をしているトレーナーがいる

・国家資格取得者のマッサージでさえ危険なこともある(無資格者のマッサージ行為は言わずもがな)

 

(関連記事:フィットネスクラブにおける「無資格マッサージ行為」から身を守ろう!

 

fitnessgoshin.hatenablog.com

 

 

さすがに無知で未熟なフィットネス業界でも、「マッサージ行為は違法かつ危険な行為」ということに、薄々は気付いたのでしょう(そう思いたいですが・・・)。

 

やってはいけないことではあるのですが、それなりに集客力のあった「なんちゃってマッサージ(違法行為)」をやめることができないフィットネス業界は「次の一手」で法の目をすり抜けようと策を講じました。

 

不幸にも、その「次の一手」として選ばれてしまったのが「筋膜リリース」だったのです。

 

 

フィットネスクラブの「なんちゃって筋膜リリース」の誕生

 

※後述しますが、「本物の」筋膜リリース自体はとても有益なものであり、素晴らしいものです

 

さて、なんちゃってマッサージに代わり、違法行為をごまかす次の一手として「なんちゃって筋膜リリース」が誕生してしまいました。

 

そのため、ある時期からテニスボールや筒状の物を使って身体のいろんな部位をゴリゴリ、グイグイやっている方をフィットネスクラブ内で目にすることが多くなりました。

 

トレーナーやジムのスタッフが「なんちゃって筋膜リリース」を会員様に教えている場面を見ていると、

 

「痛いところ、凝っているところ、硬いところを強くやりましょう」

「痛いのを我慢してほぐしましょう」

 

という浅く軽い教え方ばかりです。

 

 

「強さや角度、時間や回数など具体的なことは教えてあげないの?(できないの?)」

「素人判断に任せてやらせるの?(責任取りたくないからなの?)」

「感覚が人によって違うことは考慮しないの?(個人を尊重できないの?)」

 

まるで危機感と疑問の複利運用です。

 

 

「筋膜リリースだから大丈夫(マッサージと謳っていないから)」

「道具を使っ会員様自身でやってもらうから大丈夫(フィットネスクラブ側の責任にはならないから)」

 

とでも誤魔化すつもりなのでしょうか?

 

 

実はこの「筋膜リリース」

ただ「ボールなどでゴリゴリやれば良い」などという単純なものではなく、非常に奥の深いものだったのです。

 

 

筋膜リリースとはどういうもの?

 

「筋膜リリース」というものが、どのようなものを指すのか?について調べてみました。

 

皮膚の内側に、全身を覆うように存在する「筋膜」という組織があります。

細い筋繊維の束を筋膜が覆い、その束をさらに束ねるように筋膜が覆い、そしてその束を・・・というように段階的に体内の組織を覆っています。

 

この「筋膜」が癒着したり偏ったりすることを防ぐために、引きはがしたり、揉んだり、擦ったりしてほぐすアプローチのことを「筋膜リリース」と呼ぶそうです。

 

  

「筋膜」に癒着や偏りが生じると様々な不具合が生じて肩こりや腰痛などの原因となってしまうため、「筋膜」を正常な状態にするというのはとても有効なアプローチだと思われます。

 

 しかし、「身体に対して外部から刺激を与える」という点に関してはマッサージと同じですので、同じような危険性を内包している点には要注意です。

 

 

「解す(ほぐす)」ということの難しさ

 

身体の内部にある組織に、外部から間接的に刺激を与えることは、とても難しいことです。

 

マッサージだけではなく、筋膜リリースにおいても重要な「解す(ほぐす)」というものについて、ミカンを例にしてご説明していきます。

 

 

ミカンには皮があります。

その皮をむくと中には房があります。

さらに、その房の中には粒々の果肉があります。

 

それでは、外の皮、薄い房の皮、さらに薄い果肉の皮を、皮を一切むかない状態で揉み解してみましょう。

 

 

「外の皮は丈夫だからこのくらいの強さで解れるかな?」

「房を包んでいる薄皮を解すのはこのくらいの強さかな?外の皮が破れないように気を付けよう」

「果肉を包んでいる薄皮はもっと薄いけど、奥深くにあるからちょっと強めかな?」

「でも、外の皮や房の薄皮を破ったらいけないから、やっぱりこのくらいの強さかな?」

 

慎重に力加減をしながら適度な強さで揉み解すことができれば、程よく解れて房や果肉が一つ一つ独立して動きやすくなります。

心なしか、ミカンもほっこりとリラックスしているようです。

 

 

ここで大事なのは「適度な強さ」というところ。

もし、力任せにグイグイと揉んだらどうなることでしょう?

中の果肉はグチャグチャにつぶれてしまいますよね。

 

人間の身体も同様に、上手く解すことができれば大きなメリットを享受することができるでしょう。

しかし、体内の微細な組織を無理矢理すり潰されて損傷したらと考えたら・・・

 

人間はミカンよりもさらに複雑にできており、痛みも感じます。

「無理な揉み解し」や「いい加減なマッサージもどき」を受けるということが、どれほど怖いことかお分かりいただけたのではないでしょうか(道具を使う使わないに限らず)。

 

「筋膜リリース」においても、専門的な調節や加減が無ければ、それは危険行為になる可能性があります。

 

「なんちゃって筋膜リリース」という名目(誤魔化し)で法の目をすり抜けることはできたかもしれませんが、危険をバラ撒いている体質は依然変わらぬまま。

 

次に紹介するように、既に被害も出ています。

 

 

「なんちゃって筋膜リリース」の被害実例

  

ワタシが直接お会いした方の中に、このような方々がいらっしゃいました。

 

被害実例(その一)

お一人目は「少し前から右腕が上がらなくなった」という中高年の男性。

お困りになってワタシに声をかけられたそうです。

 

身体や動作を見させていただくと、腕を上げる際に機能すべき「とある筋肉」がほぼ機能していない様子。

「(原因と思われる筋肉を指し示しながら)この部分に何か思い当たることはありませんか?」と聞いてみたところ、

「特にケガとかした覚えはないですが、その部分が疲れやすいのでスタッフに教えてもらった筋膜リリースをやってます」とのこと。

 

さらに「どういうやり方でやっているのですか?」とお聞きしてみると、

「こういう風に・・・、強くやると痛いけど気持ちいいんです」とのこと。

 

そしてさらに「どのくらい前から痛くなったのですか?」とワタシ

「○ヶ月くらい前からです」とその男性

 

「筋膜リリースを始めたのはいつくらいですか?」とワタシ

「痛くなる少し前です」とその男性

 

ゴリゴリやり過ぎて体内の組織を痛めてしまったようでした。

まさに果肉をすり潰した状態。

 

さしあたって、病院で診察を受けること、筋膜リリースを止めることをお伝えさせていただきました(こういう時に診察行為をするフィットネス業界人にも要注意です)。

 

 

被害実例(その二)

お二人目は「股関節が抜けそうになったり、立っている時にフラフラするようになった、 痛みもずっと続いている」という中年の女性。

 

確かに、立っているだけでも辛そうなご様子。

先ほどの男性に比べるとまだお若いのに、これから先の人生が非常に心配になります。

 

先ほどの方と同じように、身体や動作をチェックしてみると、この方もある部分が機能していない様子。

しかもその部分は大腿骨を股関節に安定的に支持するために重要な筋肉であり、身体のバランスを保つ際にも重要な筋肉の一つでした。

 

この方にも「(原因と思われる筋肉を指し示しながら)この部分に何か思い当たることはありませんか?」と聞いてみたところ、「特にありません」とのこと。

 

念のため「テニスボールとかでゴリゴリやったことはありますか?」と聞いてみると、

「このジムで教えてもらった筋膜リリースを毎日やっています 痛いけど、それくらい強くやらなければ効果が無いって言われました」とその女性。

 

その他にもいくつかお話をお聞きした後、この方にも「とりあえず筋膜リリースは一週間ほどお休みしてみてはいかがでしょう?気になるようでしたら病院で診察を受けるのも良いかと思います」とお伝えし、一週間後にまたお会いする約束をしてその場を後にしました(イタ気持ち良いのが良いとお思いのようで、筋膜リリースを止めるが嫌そうでしたが・・・)。

 

そして一週間後

「その後はいかがですか?」とお聞きすると、「筋膜リリースを止めたら、ほとんど困ることが無くなりました 痛みもすっかり無くなりました」とのこと。

 

「念のため、今後も様子を見ながら生活し、気になることが出てきたら病院に行って診てもらうと良いですよ」とお伝えし、痛みの中の生活で衰えていた筋力や筋肉の柔軟性なども改善した方が良いとアドバイスさせていただきました。

 

この方は、その後ワタシのパーソナルトレーニングをお申込みいただき、ご自分のペースで継続なさっています。

気になっていたことや困っていたことが次々に改善していき、どんどん新しい目的に向かって進んで行かれています。

 

特にこの方に関しては、あのまま筋膜リリースを続けていたら確実に人生が悪い方向に変わっていたと思われます。

フィットネスクラブが教えてしまった「なんちゃって筋膜リリース」のせいで・・・

 

人の人生を壊してしまいかねないことを提供していることを、どのように考えているのでしょうか?

そして、実際に人の人生を壊してしまった場合、どのように責任を取るつもりなのでしょうか?

 

フィットネスクラブ任せにしておくのはいろいろと怖いですね。

 

 

このケースに有効なフィットネス護身術とは

 

このケースから身を守るために有効と考えられるフィットネス護身術はコチラです。

 

・マッサージ手技の種類を知る

・目新しさに惑わされない

・自分の感覚で判断しない

・筋膜リリースも専門家(できれば医療従事者)に任せる

 

 

それぞれについて見ていきましょう。

 

 

マッサージの手技を知る

「筋膜リリースに対する護身術なのに何故?」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。

 

先日の記事で、マッサージの手技には以下のものがあるとご紹介しました。

 

・軽擦法(軽く擦る)

・強擦法(強く擦る)

・揉捏法(揉む)

・振動法(震わせる)

・叩打法(叩く)

・圧迫法(圧迫を加える)

 

「なんちゃって筋膜リリース」は道具を使って、上記の刺激を身体に与えます。

 

手による施術ではないため、無資格者が行ったり教えたりしても違法行為にはなりません。

しかし、先日の記事でご紹介したように、身体に危険が及んでしまう可能性があるのです。

 

「今、自分の身体に与えられている刺激がどのような種類のものなのか?」を知っておくことで、事前に危険を回避することができます。

 

 

目新しさに惑わされない

新しいプログラムやメディアで話題のメソッドなどは、ワクワクしますし楽しそうな気がしますよね。

 

楽しく物事に取り組むことは大変すばらしいことですが、こと「フィットネスに関するもの」には注意が必要です。

 

何故ならば、「なんちゃって筋膜リリース」のように深い理解が無く、浅い認識のまま危険なサービスが提供されるケースが多いためです(被害が多いのもそのためです)。

 

新しいプログラムが提供され始めたら、「楽しそう」と思う気持ちを持ちながらも、「安全性に関してはどうなのか?」という視点を常に持つことを習慣づけされることをお勧めします。

 

 

自分の感覚で判断しない

上でご紹介した被害実例のように、ご本人様が気持ちよくても「ご本人様の身体」は悲鳴を上げているかもしれません。

 また、1回の影響は小さくとも、長年積み重なれば深刻なダメージに発展するものもあるかもしれません。

 

特に、マッサージ的な「身体の外部から内部に向けて刺激を与えるもの」には要注意です。

 

「何が身体に危険を及ぼすのか?」を判断するのは、専門的に勉強していない方にとっては中々に大変かと思います。

まずは、上記の「マッサージの手技に当てはまっていないか否か」を考えることから始めてみると良いかと思います。

 

これに関しても習慣づけすることで、危険なものを嗅ぎ分ける感性が育てられることでしょう。

 

 

筋膜リリースも専門家(できれば医療従事者)に任せる

「筋膜リリース」についても、マッサージと同じように「(本物の)専門家」に任せましょう。

 

筋膜リリースやマッサージなど、「身体の外部から内部に向けて刺激を与えるもの」に関しては、素人判断に任せない方が無難なようです。

 

 

 

「君子危うきに近寄らず」

 

護身術の基本です。

 

 

最後に

当初は、「筋膜リリース」をテーマとして取り上げる予定ではありませんでした。 

しかし、実際に被害に遭われている方があまりにも多いことを知り、急遽取り上げることにした次第です。

 

このことを紹介したことにより、被害に遭われる方が少なくなってくれることを願います。

 

 

先日、耳にした言葉が「フィットネス護身術」において有益なのでご紹介します。

 

「信じるな、疑うな、確かめろ」

 

「トレーナーやインストラクター、ジムスタッフ」に限らず、「皆さん自身、ご家族や友人知人」など、専門的に勉強していない人の情報は、ひとまず鵜呑みにしないことで防御線を張りましょう。

 

もちろん、ワタシのブログについても「すぐに信じず、すぐに疑わず」、ご自身で「確かめる」ことをお勧めします。

 

確かめた上で、「そこまで慎重にならなくても良かった」と思えるようであれば、皆さんは既に危険から守られています。

その場合は、「そんなに酷いフィットネスクラブもあるのか」と、このブログを楽しんでいただければと思います。

 

しかし、「思い当たる節がある」と思われた方は要注意です。

危険に遭う前に、危険を回避するための準備をしておきましょう。 

 

 

 

あなたの身を一番最初に守れるのはあなたです。

このようなトレーナーや施設から被害を受けないよう、常日頃から備えましょう。