フィットネスクラブで行われている「無資格マッサージ行為」から身を守ろう!
当ブログにお越しいただきまして、誠にありがとうございます。
ワタシは、このブログの管理人のフィットネス夫と申します。
危険なフィットネスの魔の手から皆さんを守るため、「フィットネス護身術」を広める活動をしています。
それでは、本日の記事をお楽しみください。
目 次
- 本日のテーマ
- マッサージとはどういうもの?
- マッサージの手技とはどういうもの?
- マッサージの国家資格とはどういうもの?
- 国家資格が無い人がマッサージをやるとどうなるの?
- マッサージは危険なこともある
- フィットネスクラブでのマッサージ行為に潜む問題点
- 国家資格の有無以外に、皆さんにとって大事なこと
- ここまでのまとめ
- このケースに有効なフィットネス護身術とは
- 最後に
本日のテーマ
マッサージに通ったことがあるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
何かと疲労やストレスが溜まりやすい現代社会において、心身共にリラックスさせてくれるサービスは本当にありがたいものですよね。
今回は、フィットネスクラブにおける「マッサージ行為」に関してご紹介していきます。
マッサージとはどういうもの?
まずは、「マッサージ」というものが、具体的にはどのようなものを指すのか?について調べてみました。
マッサージの協会などのHPを見ると、概ね以下のように定義づけされているようです。
①手技を用いて個々の症状、体格などに適した刺激量を選んで行う治療
②国家資格を有するあん摩マッサージ指圧師が医学的知識をもとに行う治療
それぞれについて、少し詳しく見てきましょう。
マッサージの手技とはどういうもの?
上記①に「手技」とありますが、具体的にはどのようなものがマッサージの手技とされているのでしょうか?
調べてみると以下のようなものがあるようです。
・軽擦法(軽く擦る)
・強擦法(強く擦る)
・揉捏法(揉む)
・振動法(震わせる)
・叩打法(叩く)
・圧迫法(圧迫を加える)
これらの方法を用いると、それは「マッサージ行為」になるようです。
リラックスしながら施術を受けていると、何も考えず身を任せるがままになってしまいますが、言われてみれば揉んだり、叩いたり、擦ったりと、マッサージ師さんはいろんなことをやっていますね。
マッサージの国家資格とはどういうもの?
上記②に「国家資格を有する・・・」とあります。
実は、「あん摩マッサージ指圧師」の資格は日本国内においては「国家資格」。
先ほどの「マッサージ手技」を施すためには、この「あん摩マッサージ指圧師」の国家資格が必要となるのです。
その国家資格は、国家試験に合格すると取得することができるのですが、その受験資格を得るまでに必要なのが以下のとおり
・専門の教育機関においてカリキュラムを修める
・それまでに必要な学習期間は「3年ほど」
・そのために必要な学費は「400~500万円ほど」
時間も手間もお金もかかりますが、ここまでやっても得られるのは「受験資格」のみ。
その後の国家試験に合格できなければ、マッサージ師と名乗ることはできず、マッサージの手技を施すこともできないのです。
(時間と手間とお金をかけても、合格が保証されているワケではないということなのです)
つまり、「あん摩マッサージ指圧師」の資格は、これだけの学費を払って勉強をして、試験に合格した人だけに与えられる「特別な資格」ということになるのです。
マッサージ師を目指す方にとっては厳しい道かもしれませんが、マッサージを受ける側から見れば「難関を突破してきた専門家」に施術をしてもらえるのは安心ですね。
国家資格が無い人がマッサージをやるとどうなるの?
マッサージをやるには国家資格が必要となることをご紹介しました。
では、「国家資格」を持っていない人がマッサージ行為を行ってしまうとどうなるのか?
厚生労働省のホームページには、以下のように記されています。
「無資格者によるあん摩マッサージ指圧業等の防止について」
医師以外の方が、あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう及び柔道整復の施術所等において、あん摩、マッサージ若しくは指圧、はり又はきゅう及び柔道整復を業として行おうとする場合には、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(昭和22年法律第217号)において、それぞれ、あん摩マッサージ指圧師免許、はり師免許又はきゅう師免許を、柔道整復師法(昭和45年法律第19号)においては、柔道整復師免許を受けなければならないと規定されており、無免許でこれらの行為を業として行ったものは、同法により処罰の対象になります。
厚生労働省としましても、都道府県等関係機関と連携して、無資格者によるあん摩マッサージ指圧業等の防止に努めているところであります。
あん摩マッサージ指圧及び柔道整復等の施術を受けようとする皆様におかれましては、こうした制度の内容を御理解いただき、有資格者による施術を受けていただきますようお願いいたします。
厚生労働省医政局医事課
(厚生労働省HPより抜粋)
なるほど、国家資格を持っていない人がマッサージ行為をやると「法的に処罰される」ということなんですね。
でも、気になるのが「施術所等において」という文言。
「施術所等以外であれば無資格者でも問題ないのか?」と思っていたら、以下のようなことが書いてあるページもありました。
「医業類似行為に対する取扱いについて」
1 医業類似行為に対する取扱いについて
(1) あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう及び柔道整復について
医業類似行為のうち、あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう及び柔道整復については、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律(昭和二十二年法律第二百十七号)第十二条及び柔道整復師法(昭和四十五年法律第十九号)第十五条により、それぞれあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師の免許を有する者でなければこれを行ってはならないものであるので、無免許で業としてこれらの行為を行ったものは、それぞれあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律第十三条の五及び柔道整復師法第二十六条により処罰の対象になるものであること。
(厚生労働省HPより一部抜粋)
やはり、あん摩マッサージ指圧を行うには「あん摩マッサージ指圧師」の国家資格を、他の施術に関してもそれぞれの国家資格を持っていなければならないようですね。
針の場合で考えると、素人に針をプスプス刺されては危険なので、当たり前といえば当たり前ですよね。
「マッサージを行っても良いのは、マッサージの国家資格を持っている人に限られる」というのは、法律が絡んでくる重要なことのようです。
マッサージは危険なこともある
先ほど、「素人が針を刺すのは危険」と書きましたが、マッサージについても同様のことが言えます。
マッサージも、人の身体に外部から刺激を与えるものですので、加減を間違えると危険なことが起き得るのです。
独立行政法人国民生活センターの発表によると、国家資格取得者の施術であっても「2007年以降の5年間で825件の事故が発生し、その後も増加傾向にある」ということです(実に年間165件、2.2日に1件の割合!!)。
以前、ニュースや新聞などでもこの件が取り上げられたことがあります。
専門のマッサージ院や接骨院での健康被害が深刻化しているという内容でしたが、映像や写真で実際の被害の様子を見て衝撃を受けました。
目を覆いたくなるような光景ですね・・・
長い道のりを経て国家資格を取得した専門家の施術でさえも、こうなってしまうことがあるんですねー。
人は必ずミスを犯すもの。
病院での手術ミス等が稀に起きるように、マッサージに関しても事故が起きる可能性というのはゼロではないのですね。
フィットネスクラブでのマッサージ行為に潜む問題点
これまでは、マッサージというものについて、その内容や危険性をご紹介してきました。
これらを踏まえ、「フィットネスクラブでのマッサージ行為に潜む問題点」を見ていきましょう。
フィットネスクラブ内において、トレーナーやインストラクター、ジムスタッフなどがマッサージを施している場面を見たり聞いたりしたことがあるという方、もしくは、ご自身がトレーナーによるマッサージを受けたことがある、という方もいらっしゃるかと思います。
ワタシはいくつかのフィットネスクラブで活動させていただいていますが、毎日のように目にしています。
全くマッサージ行為が行われていない施設も(かなり稀ですが)あるのですが、多くの施設でマッサージ行為が行われています。
中には、「当施設の一押しのサービス」と謳っている施設まである始末・・・
さて、そのトレーナーやインストラクター、ジムスタッフなどは「国家資格を有する者」でしょうか?
少なくともワタシが目にする限りでは、マッサージ行為をしているトレーナーやインストラクター、ジムスタッフなどの中には「国家資格取得者」は見たことがありません。
これまでにご紹介してきたことを踏まえると、それは立派な「違法行為」なんです。
「○○式マッサージ」や「揉みほぐし」、「スポーツマッサージ」などと曖昧な名前で誤魔化しているトレーナーもいますが、先ほどご紹介したマッサージの手技(擦る、揉む、震わせる、叩く、圧迫する等)を行っていれば、それは「違法行為」なのです。
マッサージというものは、あまり詳しい知識や技術を持っていなくても、慣れてくれば(なんとなくの)気持ち良さを提供できてしまいます。
しかしその反面、上記のような学習期間や学費を費やした上で国家試験に合格しなければならないほど手間と暇とお金がかかる上に、その中身に関しても果てしなく奥が深い分野でもあります。
専門知識や技術を習得せず、中身の伴ってないマッサージ行為を行っているフィットネス業界人は多いのです。
専門の知識や技術を習得していない無資格の人間が本来の専門分野を放棄し、一時的な気持ち良さを提供するためだけに違法行為を提供しているのはいかがなものでしょう。
しかもそれで料金を頂戴しているのもまた問題かと・・・
国家資格の有無以外に、皆さんにとって大事なこと
施術者に国家資格があるかないか、は提供側にとって大事なことではありますが、皆さんにとって、それ以上にとても大事なことがあります。
それは「危険性」
先ほど、国家資格取得者でも事故が起きている、ということをご紹介しました。
では、定められた資格を持っておらず、専門の教育も受けていない人間が、法で禁止されているマッサージ行為を行うとどうなるのか?
「言わずもがな」ですよね。
しかも、それ(違法行為)で料金をもらっているのは、モラルの欠片も無いとワタシは思います。
ここまでのまとめ
ここまでを簡単にまとめると、以下のようになります。
・マッサージ手技にはいくつかの種類がある
・マッサージ行為を行って良いのは国家資格取得者のみ(無資格者のマッサージ行為は違法)
・「○○式マッサージ」や「揉みほぐし」、「スポーツマッサージ」という名前で誤魔化して違法行為をしているトレーナーがいる
・国家資格取得者のマッサージでさえ危険なこともある(無資格者のマッサージは言わずもがな)
このケースに有効なフィットネス護身術とは
このケースから身を守るために有効と考えられるフィットネス護身術はコチラです。
・マッサージの手技を知る
・自分がやられていることがマッサージ手技に当てはまってないかチェックする
・断る勇気を持つ
・自分から頼まない
・マッサージを受ける際は、専門のマッサージ院で国家資格取得者に施してもらう
それぞれについてご説明していきます。
マッサージの手技を知る
マッサージの手技を知っておくことは、「安全性」「違法性」の両面から非常に有効な自己防衛手段になります。
何が「危険な行為」なのか?
何が「違法行為」なのか?
これを知っておくと、「危険な状況になる前」に回避することができます。
護身術の基本は「危険なことに近づかない」です。
後にご紹介することの基本となることですので、しっかり把握しておきましょう。
自分がやられていることが「マッサージ手技」に当てはまっていないかをチェックする
マッサージの手技を知っておくと、自分が受けている施術がマッサージなのか、そうでないのかが分かるようになります。
マッサージ師の国家資格を持っていないトレーナーやインストラクター、ジムスタッフが、この記事の最初でご紹介した「マッサージの手技」をあなたに行っているようであれば、既に危険な状況に置かれています。
この段階であれば、すぐに対処することで危険から回避できますので、しっかりチェックできるようにアンテナを張っておきましょう。
断る勇気を持つ
マッサージ師の国家資格を持っていないトレーナーやインストラクター、ジムスタッフなどが自分に施していることが「マッサージ行為」に当てはまっていた場合は、すぐに断りましょう。
彼ら、彼女らは、「違法行為」によってあなたからお金を搾取する人間達です。
しかも、あなたの身体に害を与えるかもしれませんし、その後の人生を壊されてしまうかもしれません。
ここで「無資格者のマッサージ行為」を止めることができれば、あなたの身体、そして人生への被害は食い止められます。
このために「マッサージの手技を知る」ことと、「マッサージの手技に当てはまっていないか」を判断するアンテナが非常に重要となってきます。
断った後は、店舗のフロントにて違法行為を報告しましょう。
受けていたサービスが有料プログラムであった場合は、返金してもらいましょう。
(あまり反省の色が見えないようであれば、保健所に通報すると良いようです)
自分から頼まない
あえて書く必要も無いかとは思いましたが、お客様側からマッサージ行為を求められることも少なくないようなのでご紹介します。
トレーナーに向かって「ちょっとマッサージやってよ」と頼む方もいらっしゃいます。
ご存じないが故のことかもしれませんが、知っていても知らなくても違法行為を求めることは良くありません。
(わざと頼んでみて、ちゃんと断るトレーナーかどうかを探ってみても良いかもしれませんね。応じるトレーナーなんて一人もいないと信じたいところですが、自信をもって「いない」と断言できないのは何故なのだろう・・・)
マッサージを受ける際は、専門のマッサージ院で国家資格取得者に施してもらう
難しいことを考えずにできる対策としては、「専門のマッサージ院で国家資格取得者に施してもらう」に尽きます。
「フィットネスクラブは運動をする所」と割り切って利用しましょう。
最後に
今回は「マッサージ行為」というものについて書いてきました。
最初はワタシもここまで深刻なことだとは知りませんでしたが、調べていくにしたがってその違法性や危険性に愕然としました。
一般の方にとってはあまり馴染みのないことなので仕方がない部分もあるかもしれませんが、トレーナーはそれ以上に軽く考えてマッサージ行為を行ってしまっています。
この危険な現状を皆さんに知っていただくことで、被害者が一人でも少なくなってくれることを願っています。
中には、「私は一切マッサージ行為は行わない」という方や、「うちの施設で指導する際にはマッサージ行為は行わないように」とスタッフやトレーナーに指導している施設もあります(非常に素晴らしい!)。
反対に、悪びれる様子も無く「当施設の主力プログラム」として謳っている施設もあります(非常に恐ろしい!)。
「許可は無いけど、美味しいらしいからフグを捌いてみましたのでどうぞ」とフグ料理を出すお店でお食事をしたいとは思いませんよね?
(フグの調理に関しては、有資格者の監督下であれば無免許者でも調理は可能らしいです)
皆さんは、法の目をすり抜けながら(無許可、違法)、専門分野ではない(技術も知識も無い)ことでお金を稼いでいるトレーナーと、誠実に専門分野を探求し法に触れることは行わないトレーナーのどちらを選びますか?
「気持ち良ければイイ」「バレなければイイ」「みんなやっているから自分も」というトレーナーにはあまりお世話になりたくない気がするのは私だけでしょうか?
重要なことなので、最後にもう一度だけ書きます。
「無資格者のマッサージ行為は違法です」
あなたの身を一番最初に守れるのはあなたです。
このようなトレーナーや施設から被害を受けないように常日頃から備えましょう。
フィットネスクラブで教わる「スクワットのやり方」から身を守ろう!
当ブログにお越しいただきまして、誠にありがとうございます。
ワタシは、このブログの管理人のフィットネス夫と申します。
危険なフィットネスの魔の手から皆さんを守るため、「フィットネス護身術」を広める活動をしています。
それでは、本日の記事をお楽しみください。
目 次
- 本日のテーマ
- スクワットとはどんなトレーニング?
- フィットネスのスクワット指導はテンプレばかり
- フィットネスのスクワットのやり方には根拠が無かった!
- 根拠の伴ったスクワットのやり方を求めて
- 調べて分かった!フィットネスのスクワットに潜む様々な危険!
- 大事なのは使い分け
- このケースに有効なフィットネス護身術とは
- 最後に
本日のテーマ
「スクワット」というトレーニング種目があります。
フィットネスクラブにおいて「スクワットを見ない日は無い」と断言できるほど、足腰を鍛えるためのトレーニング種目として広く浸透しています。
広く浸透しているということは、皆さんに危険が及ぶ確率も非常に高いということ。
このブログの最初のテーマとして、なんと最適なトレーニング種目なのでしょう。
今回は、そんなメジャーなトレーニング種目である「スクワット」についてご紹介していきます。
スクワットとはどんなトレーニング?
「スクワット」というのは、足腰を鍛えることができるトレーニング種目です。
立ちあがる、しゃがむ、という動きを繰り返します。
ただの筋力強化だけに収まらず、立っている時のバランス感覚を鍛えて安定感を増したり、足先まで巡っている血液を筋肉のポンプ作用で戻し血流を活発にしたりと多くのメリットがあるトレーニング種目です。
立って自分の脚で歩く、ということが老後の生活に非常に重要になってきます。
そのため、人の人生にとっても大きな意味のあるトレーニング種目と言えます。
フィットネスのスクワット指導はテンプレばかり
その「スクワット」を、ジムのスタッフやトレーナーが指導する時によく使われる定型句があります。
・足を肩幅(もしくは腰幅など)に開いて立って
・つま先は膝と同じ向きにして
・膝がつま先より前に出ないようにしながら
・太ももが床と平行になる高さまでしゃがみます
などなど・・・
もちろん、教える人や種目のバリエーションによって多少の違いはありますが、ほぼ全てのフィットネス業界人がこのように教えています。
まるで、機械がプログラム通りにアナウンスするかの如く・・・
テレビや雑誌など一般の方が目にする媒体でもよく言われているやり方であり、トレーナーが勉強するための教材などでも当たり前のように記されているやり方です。
ワタシも独学でトレーニングの勉強を始めた頃から読んでいた本などで、よく知っていたやり方です。
周りのトレーニング指導者や各種媒体でも同じことを言っているので、自分でトレーニングする時や人に教える時には全く疑問を持たず、このやり方を用いていました。
余談ですが、フィットネスクラブではこのやり方一辺倒である一方、真剣にトレーニングされている方や、ウェイトリフターの方々が多く集うトレーニングジム(あえてフィットネスクラブとは区別しています)では、実に様々なスクワットが行われています。
数多く存在する「鍛えるべき筋肉」に対して、あらゆる負荷を効率的に与えるために様々なフォームや方法が用いられています。
テンプレにとらわれずいろいろな方法論を受け入れ、自身のトレーニングメニューに取り入れているということは、考え方や取り組み方に柔軟性があるということなのでしょう(テンプレ以外を受け入れることができない人たちとは、筋肉だけでなく頭の方も一味違いそうですね)。
フィットネスのスクワットのやり方には根拠が無かった!
「なぜスクワットはこのフォームなのだろう?」
根本的なことをふと疑問に思ったことがあり、(当時の自分にとって)トレーニングに詳しいと思われる人たちに聞いてみたことが何度もあります。
ほぼ全員の答えは「膝に無理な力がかからないから安全」というものでした。
その都度、「なるほど!このやり方は膝に安全なのか!」や「この人も同じことを言っているので間違いないんだろうな」などと、知識が浅かった当時の自分は素直に納得。
その後も引き続き、自分のトレーニングや人への指導でこのやり方を用いていました。
今考えると、何と浅はかだったのか・・・
当時のお客様や自分の身体にはいくら謝っても謝り切れません。
さて、勉強が進むにつれ「身体の構造や動作というものは想像を絶するくらいの複雑さを持っている」と気付き始めた時に、また疑問が顔を出し始めました。
・なぜ、足は肩幅(もしくは腰幅)でなければならないのだろうか?
・なぜ、膝をつま先より前に出してはいけないのだろう?
・なぜ、しゃがむ時は太ももが床と平行になる高さまでなのだろう?
・膝にかかる無理な力って、具体的にどのような力なのだろう?(力の種類、力の方向、力の大きさ等)
・そもそも膝のどの部分のどの組織に対してのことを言っているのだろう?
再びトレーニング指導に自信を持っていると自負している人たちに聞いてみました。
しかし、具体的に答えられる人は一人もいなかったのです。
「つま先を前に出してはいけない理由は、膝に負荷がかかり過ぎるからです」
(具体的には何の負荷? その負荷がどのようにかかるの? 膝のどの部分のどの組織に負担がかかるの?)
指導がテンプレだと回答も(思考も?)テンプレになるのか、いつどこで誰に聞いても、以前と同じ答えばかりでした。
中には、用事ができたフリをしたり、電話がかかってきたフリをしたりして、その場から(逃げるように)立ち去る人たちもいました(笑)
また、自分が答えられないことが気に食わないのか、追及されていると感じたのか、機嫌が悪くなる人もチラホラ。
ホント、面白い生き物たちですね(笑)
根拠の伴ったスクワットのやり方を求めて
批判を恐れずにはっきり言いますと、「この人たち大丈夫なのか?」というのが正直な感想でした。
この時に「これはアテにならない」と思い自分の力で根拠を探すことを決意したのでした。
まずはトレーニング関係の本から調べてみましたが、残念ながらと言いますか、やはりと言いますか・・・
種目のバリエーションの紹介はあれど、中身についての具体的な説明はありませんでした。
「やはりフィットネス業界以外の情報を調べてみるしかない」と、解剖学、生理学、医師向けの文献、はたまた教育機関や研究機関が発表している論文などを漁って調べてみたところ、出てくる出てくる。
ワタシの周りのほぼ全てのトレーナーが知らないことですが、テンプレのスクワットは、ある部位のケガをしたことがある人や、他のある部位の可動域が一定の範囲以下の人にとっては、むしろ禁忌ともいえるやり方だったのです。
調べて分かった!フィットネスのスクワットに潜む様々な危険!
調べて判明した危険性の内、いくつかをご紹介します。
ワタシの周囲のトレーナー達には知られたくないことですので詳しくは書けませんが、「フィットネスのスクワットのやり方には危険性がある」ということだけでも知っていただければと思います。
「膝をつま先より前に出さない」の危険性について
スクワットの動作中は、身体の重さやダンベル、バーベルなどのウェイトの重さ以外にもあらゆる力があらゆる方向にかかっています。
1つ例を挙げると「剪断力」。
スクワットの動作中、姿勢が低くなっていくにつれて、ある部位にはある方向への剪断力が働きます。
「あるケガ」をしたことがある人にとっては再発を招いてしまう可能性がありますし、その「あるケガ」をしたことが無い人にとってもその危険性がムダに高められてしまいます。
その「あるケガ」とは、アスリートの引退の原因となることも多いケガです。
「太ももは床と平行になるまでしゃがむ」の危険性について
この低さまでしゃがんでしまうのは、身体の構造上「ある部位(上記とは別の部位)」の可動域を超えて無理を強いてしまいます。
とある医学書には「(そのある部位の)骨折の危険性がある」とまで書かれていました。
その「ある部位」はご高齢者の骨折が多い部位でもあります。
(これに関しては、ワタシが見たすべてのフィットネス関連の本で誤った情報が掲載されていました)
おまけ
テンプレのやり方ではありませんが、バリエーションとしてフィットネスクラブで多く紹介されている方法に「ワイドスクワット」というものがあります。
脚を大きく開いて「内腿に効かせる」という名目で行われていますが、この指導時の定型句が「脚を目いっぱい開いてスクワットをしましょう」というもの。
実は、「どのくらいまで開くのか」をしっかり測って行わなければ、非常に危険なやり方だったのです。
姿勢を低くしていく際には、膝は曲がっていきます。
見た目には、ただ曲がっているように見えますが、連動して「ある動き」が発生しています。
この「ある動き」は脚を開いた状態では、制限されてしまうのです。
動きが制限された状態で無理に関節を動かそうとするということは、「自分で自分に関節技をかけている」ようなもの。
ワイドスクワットを教えてもらう時は、「あなたは○○cmまでなら開いて良いですよ」と具体的に教えてくれるトレーナーに教わりましょう。
なぜ、このようなことが起きるのか?
少なくとも、ワタシの周囲のフィットネス業界人で上記のことを知っている人間は一人もいません。
また、フィットネス業界の本でこれらを紹介している本も、ワタシが読んだ数百冊の中にはありませんでした。
「なぜなのか?」
おそらくは「実物を見たことがない」ことが原因ではないかと思われます。
「実物」というのは、身体の内部のこと。
そう、「人体解剖」の経験が有るか無いかが根底にあるように思います。
身体の「実際の」構造を見たことが無いから、フィットネス界の浅い情報の本に載っていることしか知らず、そこに自分の経験を加えて想像するしかないのです。
いろいろと想像して考えることはとても重要ですが、根本的なところが間違っていると、どんどんと現実からズレて行ってしまいます。
浅い勉強しかできなかったことに関しては、フィットネス人は可哀想だとも言えますがこれは個人の努力で改善可能なこと。
仕事として運動指導をするのであれば、その努力をすることが責任であるとワタシは考えます(ただの経験則でしか語れないのは、もってのほかです)。
大事なのは使い分け
さて、フィットネスのスクワットの危険性をいくつかご紹介してきたわけですが、「全てにおいて悪いやり方」という訳ではなく、むしろ良い面もあります。
身体に無理をさせるということは、逆に言うと強い負荷をかけられるということ。
強い負荷がかけられるため、「筋力強化などの効果を得やすい」ということが言えるのです。
「安全性は二の次で良いから、とにかく筋肉を鍛えたい」という方には向いているやり方とも言えるのです。
反対に、効果よりも「身体に安全なやり方」が重要視される場合には、他のやり方を行えばいいのです。
つまり、大事なのは「使い分け」。
トレーナーやインストラクター、ジムスタッフなどがお客様に教える際に必要なのは、
・「目の前にいる方がどういう方か」をしっかり把握すること
(身体的なことに限らず、ご希望等の心理的なことも含む)
・そして、その方にとって「適した方法」を選択すること
・そのために、「しっかりとした知識」を持つこと
これらを踏まえて、目の前の方に合ったやり方を提供することが大事であり、教える側の責任であるのです。
あなたに教えてくれるトレーナーやインストラクター、ジムスタッフは、やり方を話し始める前にあなたのことを知るための質問をしてくれますか?
すぐに教えてくれないのは一見面倒くさそうに思えますが、実は、真剣に「ちゃんとしたことをあなたに教えたい」という責任感ある人であり、信頼できる人かもしれませんよ。
このケースに有効なフィットネス護身術とは
さて、ここまでは「フィットネススクワットの危険性」を記してきましたが、このケースに有効な護身術をご紹介します。
・すぐにやり方を話し始める人間には注意しよう
・理由を聞いてみよう
・デメリットを聞いてみよう
それぞれについてご説明していきます。
すぐにやり方を話し始める人間には注意しよう
皆さんが、スクワットのやり方を聞いた時、すぐにやり方を話し始める人間は、テンプレのやり方を言うだけの「機械的な対応」をする人間です。
あなたを一人の人間として見ることのできない、「覚えたことをそのまま言うマシーン」ですので注意しましょう。
理由を聞いてみよう
テンプレを暗記しただけの人間は、その中身について考えたこともないので、その理由を知りません。
「なぜ○○なのですか?」と聞いてみましょう。
答えられない人間には要注意です。
仮に答えられたとしても、その場しのぎの浅い回答を返す人間にも要注意です。
※「今は分からないですが、調べて後日お答えしても良いですか?」と言う人は、今はまだ勉強中かもしれませんが、誠実な人かもしれません。
後日、成長した姿で戻ってくることができれば、素晴らしい指導者になる可能性のある人です(こういう人は、温かく見守ってあげてください)。
デメリットを聞いてみよう
テンプレを暗記しただけの人間は、覚えたことをそのまま話すことしかできません。
全体的なデメリットを聞くのも良いですが、その人間が話した個別のことに対して、それぞれのデメリットを聞いてみると、なお良いでしょう。
トレーニングというものは、身体に負荷をかけるもの。
効果を得る代わりに、身体に無理をさせている面が必ずあります。
デメリットを言えない人間、言いたがらない人間には要注意です。
もちろん、仮に答えられたとしても、その場しのぎの浅い回答を返す人間には要注意です。
さあ、これらの護身術を駆使して、皆さんも自分の身を守りましょう。
特に、デメリットを話してくれる人は信用できる人です。
出会うことができれば、とてもラッキーです。
もしかしたら、その人は今後、皆さんに多くのメリットをもたらしてくれる存在かもしれません。
最後に
このように、フィットネス業界は無知で未熟であるが故に皆さんに危険を及ぼしています。
しかも、仮に皆さんが被害に遭われたとしても、「知らなかったから仕方がない」などと開き直られるのがオチです。
あなたの身を一番最初に守れるのは、あなたです。
このようなトレーナーや施設から被害を受けないように、常日頃から備えましょう。
はじめに
はじめに
物騒な世の中になってきましたね~!
道端や電車の中で突然刃物で切りかかられたり、交番を襲撃するなんて事件もありました!
そんな時は、エアロビで鍛えたステップで華麗にかわし、ベンチプレスの動きで「やーっ!」、スクワットの動きで「とーっ!」
私がお教えする「フィットネス護身術」を使えば、何時如何なる時、何が起きたとしてももう安心です!
・・・
などという、のん気なブログではありません。
悪ふざけが過ぎましたね。
それでは本題に入ります。
目 次
はじめに(こちらがホンモノ)
皆さん初めまして。
ワタシはフィットネス夫と申します。
まずはワタシが何者なのかを知っていただくために自己紹介させていただき・・・
おっと!
皆さんに危険が迫っているこんな時に、のん気に自己紹介なんてしている場合ではありませんね。
ワタシなんかのことを知っていただくことより、皆さんにとって大事なことをお伝えしなければならないのです。
ワタシのことは簡単に、「異業種からフィットネス業界に転職したフリーランスのトレーナー」とだけ知っていただければ結構です。
常識からズレている「フィットネス業界」というものを憂いている、一般社会で生きてきた普通の人間です。
挨拶もそこそこで申し訳ありませんが、皆さんの身を守るために、まずは何を差し置いても真っ先にお伝えしなければならない「このブログの目的」と「ワタシの願い」をお伝えさせていただきたいと思います。
このブログの目的とは「フィットネスに存在する危険を知っていただきたい」ということ。
そしてワタシの願いは「被害を受ける方が一人でも少なくなってほしい」ということです。
なんだか穏やかではありませんよね。
でも、このように思うようになったこと、そしてこのブログを始めようと思ったことには理由があるのです。
スポーツの世界は特殊な世界
協会や学校などスポーツに関わる組織のニュースが後を絶ちませんよね。
各種ハラスメント、不透明なお金の流れ、感情のぶつけ合いによる人間関係のイザコザ・・・
「変な世界だな」と思われた方も多いのではないでしょうか。
その通りです。
スポーツを取り巻く環境というのは、一般社会から閉ざされており、かなり特殊な世界になってしまっているのです。
そのような閉ざされた特殊な環境では、良きにつけ悪しきにつけ特殊なことが生まれやすく、また育ちやすいのです。
はっきり申し上げますと、スポーツに関わる人たちの多くは無知であり未熟です(正確に言いますと「業界内にいる人たち」のことですね。優秀な方は独立し悪しき世界から脱出しています)。
無知であり未熟であるが故、相手の気持ちを考えられずハラスメントが発生したり、いい加減な認識や意識の低さによりモラルに反した行動を起こして法に触れたり、感情に任せて他人と衝突したり・・・
全てに悪意があるわけでは無いとは思いますが、様々な問題が生じているのは無知や未熟さが原因ということが多々あるのではないでしょうか。
さて、前出のニュースがテレビや新聞の中だけのことで済めば、ほとんどの方にとっては他人事なので特に問題はないかと思います。
しかし、これが皆さんにも関わってくる問題だとしたらどうでしょう?
「ワタシはスポーツ(競技)をやっていないから・・・」
「そういった協会や組織とは関わりが無いから・・・」
こういう方が多いかと思いますが、実は、そういう皆さんの身近にも「特殊な世界」が存在しているのです。
あなたの身近にある特殊な世界
あなたの身近にある特殊な世界
それは「フィットネスの世界」
一昔前は、「ジムに通っているのは筋肉を鍛えたい一部のマニアックな人達」と言われていました。
今では、メディアで取り上げられることが増えたり健康志向の高まりにより、フィットネスクラブは人々の生活に深く浸透し大変身近な存在になったように感じます。
皆さんの中にも、「ちょっとスポーツクラブにでも入会してみようかしら」という方や、「すでに通っている」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ということは、皆さんも特殊な世界によってもたらされる「危険なこと」に巻き込まれる可能性があるということ。
身を守る術を知らない方が「被害者になってしまう」こともありうるのです。
あぁ恐ろしい・・・
フィットネス護身術のススメ
このような、皆さんに危機が迫っている状況に居ても立ってもいられず、皆さんを少しでも危険から守りたいという想いからこのブログを始めることを決意しました。
今後、ご紹介していくような危険な人々、危険な組織が危険なサービスを提供していることもあるということを知っていただくことによって、皆さんに事前に危険を察知していただき回避するための準備を整えていただきたい。
フィットネスというものから身を守る術、いわば「フィットネス護身術」を身につけていただきたいのです。
身体というものは、あなたにとって唯一無二のもの。
まさにかけがえのないものですよね。
そんな大事なものを傷つけようとする存在から、身を守っていただきたいと切に願います。
このブログでは、「皆さんが受けるサービスにどのような危険性があるのか」ということだけではなく、皆さんからは見えにくい「サービス(らしきもの)を提供しているのがどんな残念な人々や組織なのか」ということも併せてお伝えしていきたいと思います。
フィットネスに関わる全ての人や組織に問題があるわけでは無いと信じたいものですが、問題がある人や組織が多いのもまた事実。
皆さんには少しでも多くの情報を知っていただき、身を守る術を数多くご用意していただきたいと思います。
「ワタシのトレーナーやジムは違います!」という方は、大変幸運な方です。
ご自身の通われているジム以外では、日々こんなことが起こっているのか、という事実を知っていただき、今の環境に幸せを感じていただきたく思います。
おそらく、そのトレーナーさんやジムは、尊敬すべき素晴らしい方であり施設であると思われます(滅多なことではお目にかかれない存在であると思いますので、一生ついて行かれることをお勧めいたします)。
また、「自分はしっかりしているから、そういう被害に遭う心配はないよ」という方は、このフィットネス業界というオモシロ劇場で日々繰り広げられている演目を楽しんでいただきたく思います。
きっと、日常では出会えないようなことを知ることができるでしょう(飲み会での笑い話にでも活用していただければと思います)。
ワタシの願いは「皆さんを守りたい」ということではありますが、お読みになった方が思い思いにこのブログをご活用いただき、ご自身の人生を豊かなものにしていただければ、これに勝る喜びはありません。
前置きが長くなってしまいましたね。
それでは、この特殊な世界の中身を覗く旅をお楽しみください。